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給与所得者の年末調整について
給与所得者にとって所得税は、確定申告を提出したり、自分で納税をしなくても、会社で年末調整をしてくれているため、納税の実感がわきにくいのが実情です。しかし、実際には、毎月の給料から天引き(=源泉徴収)して、年末時点で、確定した扶養控除や保険料控除などを基に年末調整をすることで、確定申告をする場合と同じ手順で税金の清算をしています。
給与所得者は、年末が近くなると、10月下旬か11月くらいにかけて、会社に二枚の紙を提出します。一枚は扶養控除等(異動)申告書、もう一枚は保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書といいます。このうち、保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書はその年分のものですが、実は、扶養控除等(異動)申告書は、毎月の源泉徴収の基礎にする書類で、その年の初めの給料を支給する前に提出します。
そのため、給与所得者が就職するときに提出するほか、毎年の年末調整の時期に提出しているのは、タイトルの横に書いている年度を確認すると、翌年のためのものだとわかります。実務では、年末に提出するのでその年分の状況を書いてしまいがちです。
正しい書き方は、前年末に出したものが今年のもので、配偶者がパートに出たり、学生だった子供が就職したり、年の中途で異動があった場合には、すでに提出した書類に加筆修正をすることで更新します。今年の分の扶養控除等(異動)申告書と、翌年分の申告書の記載内容が異なる場合は、どちらの年分から適用するかに注意が必要です。
控除申告書の書き方について
扶養控除等(異動)申告書と、配偶者特別控除申告書には、配偶者について記載する項目がありますが、配偶者がいるかどうかを尋ねている場合と、控除対象配偶者の有無を確認している場合があるので、その違いにも注意しましょう。
申告書には、名前や住所、生年月日を記入する欄の横に、配偶者の有無にチェックする欄があります。ここには、配偶者の所得の有無、不要の有無にかかわらず、いるかどうかだけを記入します。控除対象配偶者や扶養親族は、続柄や年齢、傷害の有無など、控除額にかかわる情報をすべて戸の一枚でわかるように、記入の欄が作られています。
控除対象配偶者の欄には、年間の所得金額が38万円未満の場合、妻の名前と生年月日を記入します、すぐ下に、扶養親族の欄がありますが、扶養親族と控除対象配偶者は、控除額が異なる場合があるので、欄を間違えないようにしましょう。また、間違えやすいのは、控除対象配偶者の欄に、働いている妻を記入してしまうことですが、扶養控除等(異動)申告書で、名前を記入するのは、年間の所得金額が38万円以下の場合です。
最近、女性の社会進出の議論に関連して、よく話題になる、年収103万円の壁というものがありますが、給与所得には65万円の給与所得控除があるため、年収103万円だと所得金額が38万円になり、それを超えるかどうかで、控除対象配偶者になるかならないかの境界になっています。
妻が控除対象配偶者にならなくなると、配偶者控除38万円がなくなり、これに夫の税率をかけた分だけ税負担が増えますが、この壁を越えたかどうかで急激に負担が変わることは公平感に欠けるため、配偶者特別控除という仕組みで、その差を緩和しています。
年末調整の時に、扶養控除等(異動)申告書と同時に配布されるもう一枚の申告書、保険料控除申告書兼配偶者特別申告書には、翌年のためではなく、今年の実績で、妻の名前、生年月日と所得金額を記入します。こちらは、控除対象配偶者ではなくても、名前と生年月日、年間の所得金額まで記入するので、扶養控除等(異動)申告書との違いに注意しましょう。
会社では、毎月の給与を支給するときは、その時点の扶養控除等(異動)申告書の申告内容に基づいて、支給額と扶養親族から税額表を適用して源泉徴収税額を計算しています。年の中途で妻がパートに出たり、反対に専業主婦になったり、その他の扶養親族の移動があっても、過去にさかのぼって源泉徴収した所得税を戻すことはありません。
たとえば、3月までは妻が専業主婦だった場合、その間の給与は、扶養親族1名として所得税を徴収しています。4月からパートに出て、控除対象配偶者から外した場合には、4月以降は扶養親族が0になり、同じ支給額の場合は、源泉徴収の所得税が増えて、手取り金額が減少します。
年末調整の時点で、妻の所得金額を集計し、1月から12月までの所得金額が38万円を超えていなければ、その年は控除対象配偶者になるので、4月以降の、扶養親族0として預かっていた源泉税は過大となって、年末調整で還付を受けることができます。反対に、その年で、控除対象配偶者から外れるほどの収入金額がある場合は、1月から3月までの源泉徴収が少なかった分、還付金が減るか、徴収になる場合もあります。
税金と社会保険の違いなど
ところで、税金と社会保険の制度には、共通点も多いものの、異なる点があります。税金の計算上、控除対象配偶者や扶養親族の判定は1月から12月までの暦上の1年という期間が示されています。この期間の所得金額が38万円を超えるかどうかで判断するという基準が明示されており、臨時的な収入があってもその中に含まれます。
間違えやすい事例として、妻が、親から相続した不動産を売却したり、自分で投資している株式投資の利益で38万円を超えた場合でも、控除対象配偶者からは除かれるので、扶養控除等(異動)申告書の記載には注意しましょう。一方、社会保険制度では、過去の実績や、一定の期間内の所得ではなく、将来の収入の見込みで判定をします。
不動産の売却収入や、株式の売却益は、将来にわたって補償されている者ではないので、臨時収入があっても、パートなどの給与所得や、家賃収入などの所得がなければ、不要から除外する必要はありません。
会社は、扶養控除等(異動)申告書と保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書の2枚を基に年末調整の計算をしますが、追徴を受けた場合に備えて、本人が記入したかどうか、押印があるかどうかは確認をしています。
しかし、具体的な書き方について、特に、”妻”と”控除対象配偶者”の違い、”所得金額”と”収入金額”の違いによって、税金の額に影響するので、書き方がわからない場合は、会社に聞いたり、裏面の説明をよく読んで記入しましょう。
申告書の書き方など色々な書き方は下記の記事も凄く参考になります♪
タイトル:建設業の労働保険申告書の書き方