特別償却付表2の書き方

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特別償却付表2は、法人税の申告を行う際に作成して申告書に添付する書類の一つで、正式には「中小企業者等又は中小連結法人が取得した機械等の特別償却の償却限度額の計算に関する付表」と呼びます。

 

  1. 1.どんな場合に必要か
  2. 2.特別償却付表2の書き方
  3. 3.償却資産に関する書き方
  4. 4.作成に関する注意事項

 


どんな場合に必要か

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特別償却付表2は、法人が租税特別措置法で設けられている「中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却制度」の適用を受けたい場合に作成する必要があります。この制度は、青色申告の承認を受けている中小企業者や農協・漁協などの協同組合が、特定の機械や装置などを新たに取得や製作をした後、その機械や装置を法令で指定された事業で用いた場合に、

 

その事業を実施した事業年度の法人税の申告時に、取得価額の3割に相当する金額を限度に特別償却ができる制度です。この制度の適用を受けると、対象の償却資産に関しては、通常の減価償却費に特別償却分を上乗せして計上し、課税所得に算入できるようになります。特別償却の対象となる資産は、取得価額が一定の基準を満たす機械や装置、

 

車両総重量が3.5トン以上の貨物自動車、内航運送事業用の船舶で、基準となる取得価額は、一般の機械および装置については160万円以上、測定工具・検査機器やコンピューター、デジタル複合機などといった業務の効率や生産性の向上に役立つものについては120万円以上、ソフトウェアについては70万円以上となっています。特別償却制度の対象となる事業は、

 

製造業、建設業、農林水産業、卸売業、運送業をはじめとして非常に幅広く、多くの事業者が特別償却制度を適用して減価償却費を増額させて、法人税を節税させることができます。

 


特別償却付表2の書き方

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特別償却付表2の書き方は、最初に付表の「中小企業者又は中小連結法人の判定」の各欄に必要事項を記入し、その後付表上部の適用償却資産についての記入欄に金額などを記入していくのが一般的です。まず「発行済株式又は出資の総数又は総額」の欄には、発行済株式の総数と出資額の総額を記入します。どちらか一方だけでも十分ですが、

 

できるだけ両方とも記載しておいたほうが良いでしょう。その下の「常時使用する従業員の数」は、正社員などの無期限で雇用している従業員と、パートやアルバイト、嘱託などの有期雇用されている従業員の総数を記入します。次の「大規模法人の株式数等の保有割合」と「大規模法人の保有する株式数等の明細」の各欄は、株主に大規模法人が含まれている場合に、

 

その大規模法人の株式の保有状況を記入します。大規模法人とは、資本金もしくは出資金の総額が1億円を超えている法人と、常時使用している従業員数が1,000人を超えている法人のことを指します。各欄の書き方は、まず「大規模法人の株式数等の保有割合」には、法人の株主になっている大規模法人の中で、保有株式数や出資額が最も多い法人について、

 

その保有株式数、出資額、株式の保有割合を記入し、その後に大規模法人全体の保有株式数、出資金の総額、株式保有割合を記入します。そして「大規模法人の保有する株式数等の明細」には、法人に出資している大規模法人に関して、その保有株式数や出資額を記入し、最後にその合計金額を記入します。明細には4社分しか記入できないので、5社以上の大規模法人から出資を受けている場合は所轄の税務署に記入方法について相談しましょう。

 


償却資産に関する書き方

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付表下部の「中小企業者又は中小連結法人の判定」の欄の記入がおわったら、付表のメインである償却資産に関する事項を記入していきます。まず「事業の種類」には、特別償却を行う資産を事業に用いた場合に、その事業名を記入して何の事業に用いたのかを明らかにします。その下の「対象資産の種類等」には、償却資産の種類やその仕様などを、

 

減価償却資産の耐用年数等に関する省令の別表に記載されている内容をもとに記入します。そして「設置した工場、事業所等の名称」「取得等年月日」「事業の用に供した年月日」「購入先」にはそれぞれ、償却資産を設置した場所の正式名称、資産の取得日、資産を事業実施の為に使用し始めた日、購入した場所の名称を記入します。

 

次の「取得価額」の欄は償却資産の取得価額を記入し、「基準取得価額割合」は、償却資産が船舶の場合は「75」の方を、それ以外の場合は分子に書かれている「100」の数字を丸で囲みます。そして「基準取得価額」と「特別償却限度額」には、計算方法に従って求めた金額を書き入れます。その下の「償却・準備金方式の区分」については、

 

償却資産を直接償却する場合は「償却」を、特別償却限度額以下の部分を準備金として積み立てておく場合は「準備金」を丸で囲みます。そして、ソフトウェアを特別償却の対象資産とする場合は、「適用要件等」の各欄に必要事項を記入します。特別償却付表2には、償却資産の記入欄は3つ分しかありません。もし、特別償却をしたい償却資産が4つ以上ある場合は、2枚以上用意しなければならないので注意が必要です。

 


作成に関する注意事項

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特別償却付表2の様式は、税務署などに問い合わせるか、国税庁のホームページから様式をダウンロードすることによって取り寄せることができます。また、申告書類の作成を会計ソフトウェアを使って行っている法人では、そのソフトウェアに特別償却付表2の作成機能が備わっていれば、パソコン上で付表を作成することもできる場合があります。

 

もし作成機能が無い場合は、ソフトウェアの最新版に機能が追加されていないかを確認し、追加されている場合は最新版にし、追加されていない場合はプリンターで印刷した後、手書きで書類を作成していきましょう。特別償却付表2は、法人税申告書における「別表16」に添付する書類として作成します。

 

この「別表16」は減価償却資産に関する事項を記入するための書類で全部で11種類ありますが、このうち「別表16(1)」から「別表16(5)」までの5種類の書類の中には特別償却に関する記入欄が設けられており、特別償却付表2はこれらの書類の記載内容の根拠になります。また、償却資産を直接特別償却せずに準備金として積み立てておく場合は、

 

「別表16(9)」の「特別償却準備金の損金算入に関する明細書」に必要事項を記入しなければなりませんが、特別償却付表2はこの別表の記載内容を根拠付けるための書類としても扱われます。特別償却付表2を作成する際は、国税庁によって指定された書き方にならって、法人税申告書の内容や、別表16の各書類の内容と矛盾がないように、正確に記載しましょう。

 

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