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外国人の方が日本において勉学など何らかの活動を行なう時には、その在留に関する一定の資格を得る必要があります。
配偶者等の在留資格「質問書」とは
外国人の方が日本において勉学など何らかの活動を行なう時には、その在留に関する一定の資格を得る必要があります。日本人の配偶者と結婚した外国人の方が日本で配偶者と一緒に生活を共にするために取る資格は、「日本人の配偶者等」の在留資格といいます。
「結婚ビザ」または「配偶者ビザ」と呼ばれることが多いものですが、正式な名称は「日本人の配偶者等」在留資格となります。資格を取得するためには、入国管理局の所定の申請書に必要な書類を揃えて提出する必要があります。そして日本人の配偶者が暮らしている住所地の地方入国管理局で、手続きを進めていくことになります。
ここでいう「質問書」とは、この在留資格取得の手続きの中で記入する書類の一つです。「質問書」では、当事者であるカップルが互いに知り合ってから結婚に至る経緯に対する質問に回答する必要があります。この質問書をどう書いたらよいかわからないという方が多くいらっしゃいます。そうした経緯はカップルによって様々であるので、一般の書籍には記入例などがほとんど掲載されていないためでしょう。
特に2番目の「結婚の経緯」については、その書き方のサンプルはどこにも見つからないことになります。プライバシーに関する出来事を具体的に回答することが恥ずかしいからという理由で、簡略な文章で記入してしまい許可が下りなかったというケースもよく聞かれるものです。在留資格を確実に取得するためには、結婚に至った経緯を詳しく説明することが重要であるといえるでしょう。
夫婦であることが第三者に理解できるか
一方の配偶者が日本人でありながら、その配偶者に滞在許可が下りないケースについて外務省は次のように説明しています。それは「日本人が配偶者であることを理由に外国人が日本へ入国する権利は、日本国憲法上保証されておりません。よって人権侵害とは言えないことになります」といった内容であり、在留資格に対する申請には慎重な審査を行い続けています。
こうした中で質問書を記入する目的とは、入管の審査官という第三者から見ても両者が事実夫婦として認められるかという点です。婚姻が真実であることを2人を全く知らない他人からも分かるように、書面によって証明することを求められているのです。入国管理局が考える許可取得のための基準とは以下のようなものがあります。
・ 夫婦の真摯な意思に基づく実態の伴った結婚であり、その婚姻は法律上でも有効に成立している。
・ 内容は真実に基づいており、提出されている資料は真正な文書である。
・ 外国人の配偶者が「入管法第5条」で定めている”上陸拒否事由”に該当しておらず、過去に法令違反が無い。
・ 日本において今後、安定して継続的に「日本人の配偶者等」として活動を行なう環境や条件が揃っている。
このような審査基準からは申請を行なっている夫婦が「実際の夫婦生活を営んでいるカップル」であり、「他の国から配偶者を迎えた後で落ち着いて暮らしを営む環境が用意されているか」を確認されているということがいえるでしょう。申請に失敗をしないためにはこうした審査内容を理解した上で、2人のいきさつを恥ずかしがらずに詳細に記入する必要があります。
写真や資料も添付しましょう
質問書提出の際のもう一つのポイントは、書いた内容を裏づける資料をできるだけ提出することです。申請の際に理解しておく必要があるのは、2人の結婚が真実であることの立証責任が常に申請者側にあるということです。そのため文書によってありのままに申告した上で、書かれていることが事実であることをフォローしておく方がよいといえます。
質問書や理由書等に記載した内容を証明するような、書類や写真などがありましたら添えておきましょう。こうした写真や公的書類があることも、内容を力強く裏付ける助けとなります。違う国で離れて暮らしている間に電話や手紙のやり取りをしていたら、そうした手紙や国際電話の通話記録の明細なども提出することができるでしょう。
また結婚式の写真など、双方の親族と共に写っている写真などがありましたら有効な証明写真になります。身元保証人である日本人配偶者の収入も、審査において重要なポイントとなります。万が一日本人配偶者の収入が少ない場合には、外国人配偶者の日本での就職先がに決定しているなら雇用契約書などを提出する方法もあるでしょう。
質問書は、申請するカップルの人生そのものを説明するものです。細やかな資料を添えることで、その状況がより理解しやすいものとなります。ただし、この時提出した書類や写真は戻ってこないということにご注意下さい。提出するものの中に手元に残しておきたい写真などがありましたら、あらかじめ焼き増しなどしてから出すようにしておきましょう。
不許可を防ぐ対策と不交付になった場合
「日本人の配偶者等」の在留資格は、単に日本人の配偶者と結婚すれば発行される資格ではありません。不許可になるカップルの多くは深く考えないままに記入して、必要書類を揃えて提出を済ませてしまいます。不許可の通知が到着してから慌てるといったケースが非常に多いです。
入国管理局では、そうした申請者が担当官に詰め寄っているという場面が見られる場合もあるそうです。在留に問題が無いことを記載する、「結婚に至る経緯」を書くスペースは指定用紙では1頁弱ほどの限られた範囲です。困難が見込まれるカップルの場合には、別紙を用意して頁数を増やして詳細に書く方法をとるとよいでしょう。
ただしよく見せようとして嘘を書いてしまうと、後から係官の質問に答えられなくなりますので注意して下さい。経済的に恵まれた状況にある方でしたら、こうした資格取得専門の行政書士に依頼するというやり方もあるでしょう。万が一、不交付となった場合には、まずその理由を突き止めることです。申請した入国管理局へ行けば理由を教えてもらえますので、該当局へ訊ねてみて下さい。
不許可となった理由が補正可能なものであれば対応した後、再度申請を行います。ただし失敗した申請も全て記録されており、再申請の時には参照されていることを忘れないで下さい。過去に申請した際の矛盾点や不手際は、再申請の際に改めて質問されることになるでしょう。一度行なった手続きは無かったことにはできませんので、念頭においた上で慎重に手続きを行なって下さい。