設立趣意書の建設事業協同組合の書き方
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設立趣意書は、会社や組合などの組織を立ち上げるにあたって、設立にいたるまでの経緯や、設立目的、事業内容、設立準備の進捗状況などを明らかにし、組織の設立に対して理解や同意を求めるために作成する文書のことです。
設立認可申請時の必要書類の一つ
設立趣意書は、会社や組合などの組織を立ち上げるにあたって、設立にいたるまでの経緯や、設立目的、事業内容、設立準備の進捗状況などを明らかにし、組織の設立に対して理解や同意を求めるために作成する文書のことです。この設立趣意書は、会社の設立手続きにおいては添付は必須ではないため、
特に中小規模の会社の設立準備では作成作業が省略されることが多いですが、それ以外の形態の組織を設立する際には作成が必要となることがしばしばあります。設立趣意書が必要となる例としてよく挙げられるのは、事業協同組合の設立時です。4人以上の事業者が発起人となって組織される事業協同組合は、
設立時には中小企業等協同組合法の規定に基づいて所管する行政庁に対して設立認可の申請を行わなければなりませんが、この時に設立認可申請書と共に提出しなければならない書類の一つに設立趣意書があります。建設事業協同組合を設立する場合は、事務所を設置する都道府県の数が1つのみの場合は都道府県知事、
2つ以上の場合は所轄の国土交通省地方整備局、全国規模の場合は国土交通大臣に対して、設立認可申請書と一緒に設立趣意書を提出します。設立趣意書については法令によって決められた様式があるわけではないので、文書のレイアウトは発起人間で相談しながら作成しなければなりません。中小企業の協同組合のホームページの中には文書の作成例が載っていることがあるので、これを参考にしながら文書を仕上げていくと良いでしょう。
決定しておくべき事項は何か
建設事業協同組合の設立趣意書は、立ち上げる組合の全容がほぼ決定した段階で作成するのが一般的ですが、この文書の作成作業を始める前までに最低限決めておかなければならない事項としてはどのようなものが挙げられるのでしょうか。建設事業協同組合の立ち上げ準備は、設立発起人によって組織された発起人会が中心となって行われていきます。
発起人は、まずは自らの会社を立ち上げた時と同様に、組織の規範となる定款の案を作成します。発起人が自分の会社を立ち上げる時は、主に会社法の規定にしたがって定款案の作成を行いますが、建設事業協同組合を立ち上げる際は、中小企業等協同組合法の規定にしたがって、組合の設立目的、管轄する地区、事務所の所在地、公告方法、事業内容などを記載することになります。
定款案の作成作業を行う際には、設立初年度とその次の年度の分の事業計画と収支予算や、組合の運営資金を確保するための使用料や手数料、賦課金などの徴収方法なども決定しておきます。そして、設立に際して重要な事項をひと通り決めた後は、管轄する予定の区域内で組合に加入してくれる事業者を募集することになりますが、このとき必要となるのが設立趣意書です。
区域内の建設事業者に見せる建設事業協同組合の設立趣意書は、それまでに発起人会で議論をして決定したことを踏まえて作成します。ただし、文書は同業者だけでなく、設立認可の申請先となる行政庁の担当者も目を通すことになるので、専門的な表現は極力使用せず、理解されやすいような表現を用いて文書を作成する必要があります。
建設事業協同組合の設立趣意書の書き方
設立趣意書の書き方を順に述べると、まず最初に、組合の設立が必要であると考えるに至った背景・動機や、組合設立によって管轄区域内にもたらされる効果などについて記載し、その上で趣意書を作成した日の時点における設立準備の進捗状況と今後の予定を記載します。予定については、創立総会の開催日が決定しているのであれば、極力記入しておきましょう。
次に、設立する建設事業協同組合の組織と事業の概要を、定款案の内容をもとに記載します。特に、設立目的、組合の名称、事業計画の概要、管轄区域、事務所の所在地、組合員になるための資格要件、1口あたりの出資金の金額と払込方法、組合に対して納める賦課金の金額と徴収方法、設置する役員の人数と任期など、
設立認可申請において必要要件となっている項目については、詳細に記載しておきましょう。出資金については償却期間と償却方法が決まっているのであれば、それも記載しておくと良いです。組織と事業の概要を記載し終わったらその下に、記載された内容で設立を発起した旨と、設立趣旨に賛同した場合には設立同意並びに出資引受書に必要事項を記入した上で事務所まで送付をお願いする旨の文章を載せます。
そして、最後に設立趣意書の作成年月日、設立する建設事業協同組合名、創立時点における事務所の所在地、設立発起人となっている事業者の所在地・商号・代表者氏名を記入し、設立発起人の代表者が代表者氏名の横に代表者印を押印すれば、設立趣意書は完成となります。作成した設立趣意書の原本は、大切に保管しましょう。
作成した後の組合設立手続きの流れ
設立趣意書の作成を終えて賛同者を募った後は、建設事業協同組合の設立認可申請の書類作りをします。そして、書類がすべて揃ったら、申請先となる行政庁の担当部署との協議に臨みます。協議の場では、行政庁の担当者は、すべての提出書類のチェックを行うとともに、発起人と組合設立にあたっての相談に応じたり、創立総会の日程についての打ち合わせなどを行います。
協議の場で書類の不備を指摘された場合は、その部分を修正し、必要に応じて再度担当者との協議に臨みます。担当者との協議がまとまったら、すべての発起人と賛同者に向けて、創立総会を開催する旨の通知および公告をおこないます。その後実施する創立総会では、中小企業等協同組合法で定められている通りに議事を進行し、必要事項を決議しなければなりません。
なお、このときに、認可申請手続きに備えて、念のため設立趣意書の記載内容について承認を得ておくと良いです。創立総会終了後は理事会を開催し、終了後に設立認可申請書類一式を行政庁に提出すると、1ヶ月程度が経過した時期に認可がおります。そして、認可が下りた後に出資金の払い込みを行い、
法務局に組合設立登記の申請を行えば、申請日の当日から10日後までには登記が完了します。この登記の完了をもって、正式に建設事業協同組合が設立となります。なお、登記手続きは出資金の払い込みを行った翌日から2週間以内に実施しなければならず、申請時の必要書類には設立趣意書が含まれていないので注意が必要です。