借用書の書き方
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知人に借金をした際、あるいはお金を貸した際は借用書が欠かせません。口約束の場合は金銭が食い違ったり、延滞やなしにされるというトラブルが起こりやすいからです。裁判などでも証拠がないので泣き寝入りするというパターンも多く存在します。
借用書そのものに法的な証拠能力は存在せず、予め法的書類にしたい場合は公正証書を作成する必要があります。しかし作っておけばそれを元にして事実確認をすることが可能でもあります。以降の書き方を参考に必ず作成しておきましょう。お金ではなくても、車などの重要な品を貸し借りする際は借用書を作っておくといざという時に便利です。
必要項目と書式
ここでは自分が誰かから借りた場合を想定して作成します。借用書に必要な内容としては、表題と宛名、借りた日付といくら借りたのか、いつまでにどのような返済方法で返すのか、その間の利息や遅延の際の損害金、借用書作成の日付、自分の住所氏名及び捺印です。まずはこれらの表記が必ず記載されているのかが重要になります。
記載されていない箇所が一つでもあると、借りた方と貸した方で事実に食い違いが発生しやすくなるので、書き忘れのないようにしましょう。書類作成日はお金を渡した日にしてください。氏名の脇の捺印は、自分であることを証明するためのものなので、貸した方が書類作成を行った場合でも、かならす借りた方に署名及び捺印をしてもらい、双方が合意していることを示しておきましょう。
用紙のサイズや書式については決まったものはありません。ビジネス書などのように、パソコンやワープロで打ち、コピー用紙に印刷するという形式で構いません。書き方も横書きで構わないので、文書作成ソフトの初期設定のままでも作成可能です。但し表題は中央揃えでほかの文字よりも大きめに設定すると解りやすくなります。
また借りる側の情報は番地や建物名までしっかりと書きましょう。また連帯保証人がいる場合は、その方の氏名や住所も書きましょう。パソコンなどで作成した場合でも、捺印は別途押します。作成された借用書は貸した側が保管してください。
記載における注意点
まずは金額の書き方です。一般的には金額は100万円などのように数字で書きますが、借用書に金額を記す場合は百万円と漢数字で、更には一ではなく壱、二ではなく弐のような旧字を用いると効果的です。例文を書くならば、金参百弐拾壱万円を借り受けましたとなります。これは借用書を書換されてしまう可能性に対しての保護手段なのです。
また金額を明記することで実際に授受が合ったことを証明することにもなります。金額の漢数字に合わせ、借りた日付は平成などの年号で書くと良いでしょう。これは返済期限の日付や借用書の執筆日付も同様にしてください。次に返済期限及び返済方法を記入します。ここでいう返済方法は一括や分割などの返済回数です。
特に問題がなければ一括返済にし、複数回の返済を指定したい場合は毎月何日に支払うというように支払日も決めて記してください。毎月の返済日が決まっていれば、その月の返済について貸した側が判断を下しやすくなります。
返済場所に関しては特に記載の必要はありませんが、借りた相手のところへ直接持参するか、送金によって行うことが民法で決まっていますので、他の手段は避けてください。また利息を支払わなかった際のペナルティなどについても記載があるとトラブルにならずに対応できるでしょう。一般的には、期限より前であっても残金を一括で支払うなどがペナルティとして用いられています。
利息と損害遅延金
その次に利息と遅延金に関してです。こちらも明記しないと返済の段階で齟齬が発生するので注意します。基本的に明記がない場合は無利息とされ、利息が発生するとだけ明示がある場合は、年5パーセントで判断されます。
基本的には記載した利率での利息が発生しますが、利息制限法という法律に抵触しない範囲でのみ、実際は取引されます。遅延損害金においても上限がこの法律で決まっているので、予め確認してから利息の金額を決めるようにしましょう。利息及び遅延損害金の金額についても、借金と同様に漢数字で記載すれば書換される心配もありません。
個人間でも無理のない取引をする
書面にすればよい、法律の範囲内で利息を決めれば良い、と安易に考えるのは禁物です。あくまで目的はお金を貸して、きちんと返すことにあります。その為、借りる側が返せないような高額を借りたいと申し出ていないか、返済方法は適切か、貸す側が法の範囲ギリギリの高い利子をふっかけていないかなどの事前の取り決めが大事です。
実際に問題なくお金の貸し借りができること、借用書はその証明に過ぎません。書類があるから問題がないということではないのです。書類を作成したからといってそれだけで安堵しないように注意しましょう。裁判などになっても、実際にお金を取り戻せるとは限らないのです。
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