看護研究における参考文献・引用文献の書き方
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時系列の介護記録の書き方
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看護研究とは
看護研究は論文の範疇に入り、これまでのレポートとは異なります。自分の体験や先輩や医師からのアドバイスだけでなく、一般に認められている看護学を元に構築されるべきものです。もちろん自分のオリジナリティを尊重することもかまいませんが、自分が発見したようなつもりでいても大概のものは既に先人によって合否が解明されていることが多いのです。
その都度、文献などを当たってみる必要があります。本や雑誌などに書かれていたことが自分の考えと同じだからとそれを自分の主張として発表することは差し控えなければなりません。自分の主張の原典になったものを表記しておかないと一般的には盗用という扱いを受けてしますからです。
研究論文という分野では、医師でいうところの学会のようなものですから、実際には内容が革新的か?というよな期待で読まれることはあまりないでしょう。ある程度、定説が決まっている中で、どれだけ看護に対する意識や理解が進んでいるかを見るための役割ですから要は、どれだけ有用な専門書や医療雑誌の原典を正しく理解して自分に取り入れていったかを判断することに尽きます。
この原典の表記には引用文献と参考文献があり、それぞれ意味合いと記載方法が違います。論文形式の場合は学者でも必ず避けて通れないものですから細かい部分まで覚える必要があります。
参考文献の書き方
参考文献とは自説を構築した際に参考にした本や記事を言います。要は「私が言い出したことじゃなくてこの本に書いてあったけど、そこから自分で考えてこういう考え方としました」といった場合の本のことを言うわけです。看護研究には臨床経験が大変重要ではありますが、何もかも体験できる訳ではありません。本や雑誌の記事、映像などの二次体験からヒントを得る場合の方が多いかと思われます。
つまり研究の過程で勉強した資料が参考文献ということになります。その資料を完全に自説に取り入れたということではなく、自説を構築する上で部分的に参考にしたという場合が当てはまります。臨床データなどの数字的傾向に関しては本などから転用することになり、それを元に自説を構築したということであれば参考というくくりでかまいません。しかしデータをそのまま使用する場合は引用にあたりますので絶対に引用先を記載する必要があります。
例文
投薬の確認に関しては口頭ではなく服用を直接確認することが必須(1、参考)であり、食後手渡す際にその場で確認を~
このように( )で該当の文章の途中で番号を振り、引用が参考かの区別をつけます。また下記のように文献の情報に関しては論文の最後に別途まとめて記載します。ここで注意しなければならないのは参考部分は、あくまで参考にして自分で考えたものであるということです。
それであれば上記のように、ある設定に対して自分が結論を出すにあたって参考にした著作物を記載すれば、参考にした部分は広い範囲でも該当するとみなされます。一方で一冊の本のあちこちの部分から参考にした場合でも、導き出す答えが本とまったく同じ場合は後述の引用とみなされます。つまり独自性は認められず、考え方を盗用したと判断されるケースもあるのです。
巻末にまとめる参考の例文
1.参考 パルク出版 看護実践3 田中優子 2015年 p14
このように、本文中にその都度、参考の注釈や引用の注釈が紛れ込んでは、とても読めない文章になりますの。したがって小説や辞書の巻末に数ページあるような引用・参考のページに一まとめにして記載することになります。つまり現行の最後に別途用紙として添付するのです。
出版社名、本のタイトル、著者名、出版年度、ページ数を記載します。参考文献の場合、一部ではなく全体を参考にしたような時はページ表記は不要です。参考も引用も、出版社名、本のタイトル、著者名、出版年度、ページ数の順番は全て統一するようにしてください。実際に研究報告を読む人はその都度、最後の参考・引用ページと見比べながら読みますので、順序が統一されていないと大変読みにくく評価の低下につながるかもしれません。
特に報告を読む人たちは、同じような報告書を何度も読んでいますから、「この一説はあの本からの受け売りだろう」などと、ほとんど見抜いてしまうことが多いようです。わからないだろうと思って参考と引用の記載を怠ると、有名な書籍を丸写しにして作り上げたように思われるので注意が必要です。
引用文献の書き方
引用文献とは他人の著作の一部を、そのままコピー&ペーストして自説の根拠のひとつとして記載するものです。他人の文章を複製して自分の文章として記すことは盗用として禁じられていますが、引用元を正確に記載すれば著者に許可を得なくとも合法とされています。ただし引用する文章を一字一句変えてはいけません。
また自分に都合のよい部部だけを抜き出して引用元の文章と意味を変えてしまう事もやってはいけません。基本的には自説を補う根拠のひとつとして必要な部分のみを引用するべきであり、あまり長い文章をそっくり写すのはよくありません。下記のように引用部分はどこからどこまで引用した文章なのかわかるように、そして自分の文章と混ざらないようにしなくてはいけません。
投薬の確認に関しては「口頭ではなく服用を直接確認することが必須」(1、引用)であり~
といったような書き方参考文献とは違って自分の文章と明確に区別できるように引用部分を「 」で囲みます。
ただし、引用文がかなり長く段落も多いという状況で引用する場合は引用スペースを空けて、尚はっきりとわかるようにします。
ーーーーーここから引用開始ーーーーーーー(2,引用)
文章
ーーーーーここまで引用ーーーーーーーーーーーー
引用情報は参考と同様に後でまとめて記載します。
1.引用 パルク出版 看護ジャーナル3月号 佐藤一郎編集 「看護学の常識」記事 田中優子 2015年 P14
この場合は引用ですからページ数まで細かく記載します。また雑誌の場合は他の記事も多く掲載されている上、発売日が書籍と違って週刊、月刊誌特有の発売日になっていることと、たくさんの人の記事が載っていますので、記事をかいた著者、及び責任編集者の名前も列記するのが一般的です。
以上、参考文献はその内容が常識的な時には記載漏れが許されるケースもありますが、引用文献は記載しないで自分の文章のように表現した場合は看護研究そのものの価値が認められませんので注意します。引用も参考も、現在ではいちいち著作者の許可をもらう必要はありません。
商行為に使うのではなく学問に使う場合は、その原典をくわしく明らかにすることによって、先人たちの偉業を尊敬するという行為になるからです。しかし、記載し忘れをしたり、不適切な引用(原典の言い回しを勝手に変えてべつな文章にして、著作者の言葉を引用したとする等)の場合は業界からその後、相手に去れなくなる可能性も多いでしょう。
訴訟問題に発展するのは、あなたがもっとお偉い地位にいるときだけでしょうが。いずれにしても、参考と引用がなくては誰も研究論文を書けないことはたしかです。まず書き始める際には使った資料本や雑誌を一か所にまとめておいて、いつでも取り出せるようにしておく事と、図書館などで借りた資料本は本の名前、著作者を割いてでも記録しておくことです。どの本の、どの部分が参考、引用に当たるかは最後になるまでわからないのですから。
医療関係に関する書類の書き方など色々な書き方は下記の記事も参考になります♪
タイトル:医療同意書の書き方例文
タイトル:看護実習記録の書き方
タイトル:看護研究の目的の書き方