詩の書き方

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詩は説明や書き流したものを、行分けして並べてそれらしく体裁を整えれば、詩であるというものを良く見掛けます。もちろん現代の自由詩は、言葉通りに定型詩の韻を踏んだりするような約束事はありません。ですから、好きなように書けばいい、それではあまりに乱暴です。

 

  1. 1.詩のテーマとタイトル
  2. 2.なになにのようなという直喩の書き方
  3. 3.情感を歌い上げる詩
  4. 4.暗喩はイメージの凝縮

 


詩のテーマとタイトル

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ある著名な小説家は、詩は言葉遊びに過ぎないと述べたと言うことを聞いたことがあります。おそらく、小説のようにテーマに沿ってストーリーを積み上げ、一通りの構成で整えた読者に開かれた文学と言う観点からすると、そう言う面もあるかもしれません。

 

とくに、イメージに重点をおく詩は、なかなか難解で一度読んだだけでそのイメージを汲み取ることは難しいと言わざるを得ません。なるほど、小説のように読者がいかに感情移入できるかと言う入り口で腐心するのとは全く真逆な展開になっていることが多いのも事実です。

 

その場合の手掛かりは、タイトルに見るしかありません。ですからタイトルが、作者がいかに昇華させたか、凝縮したイメージに近いものであるかと言うことも、作者の技量の裏付けになるでしょう。確かに、字面を追って、読んでそのままイメージが湧き、行間に滲む音律や映像が浮かぶストレートな直喩の詩は、書き方として作り手の表現も、読み手には分かり易いものです。

 

これは、どちらかというと散文詩に近いと言えるでしょう。ある有名な作家であり、詩人でもあるひとの編んだ詩集には、行分けをほとんどしないショート風の小説の塊のような作品が並びます。そして、タイトルは見事にその内容を表現しています。

 

この詩人は、これが私の小説の原型になっていますと述べられたように記憶しています。作品の一つ一つを解いて広げていくと、小説になるというようなことです。これは、前述した作家の、遊び言葉と評した冒頭の作家への答えになっているような感じがします。

 


なになにのようなという直喩の書き方

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書き方として、なになにのようにという例えで表現でするものを直喩といいますが、直せつの喩えですから、歌いあげる感情の噴き出るままに、言葉に乗せ五線譜に音符を並べていくように書いていくとよいでしょう。ただし、あまり直喩を連発してはいけません、一つか二つがいいでしょう、締まりがなくなるからです。

 

タイトルは先ほどから述べていますが、重要なことにはかわりありません。タイトルに大きな手がかりを残して、自然に歌い込むのです、悲しさも嬉しさも、そしてそれがどんなに言葉ではいいあらわせないかという感情を表現するのです。最初があれは最後の締めくくりがあります。

 

その終わり方は一概に、こうだということはできないのではないでしょうか、感情が終わりを迎えている場合はそれなりの締めくくりもあるでしょう。ですが、感情は割り切れないものが多いのも事実です、愛を求めて放浪したり、あるいは愛をなくして失意のままに暮らしていたりします。

 

そんなときの終わり方には、リフレインという同じ言葉の繰り返しで、イメージを豊かに膨らませることもあります。むしろ、本来はその膨らみきったイメージの世界が作者の詩の世界であり、読者を誘う世界なのですが、これは本当に難しく、苦労するところでしょう。

 


情感を歌い上げる詩

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童謡や唱歌も素晴らしい詩です。内容が子供の口に乗ると子供のこころの世界に、音楽が言葉に連れられて流れていくというように。詩によって紡がれる豊かな情感、それをしっかりと換気するのも大切な役割です。この歌い上げる作品は、素直に感情を言葉に乗せることでもう詩情が溢れています。

 

しかし、作者の意図がはっきりとしていないと感情の行き詰まりで流れが停滞します。俗にいう独りよがりになります、やはりテーマと作者の冷静な感情の抑制を利かせた、生きた言葉にしましょう。出来上がった作品に、誰の胸にも響く詩はテーマがしっかりし、流れの中に、起承転結の物語を込める、そうありたいものですね。

 

この道はいつかきた道、ってちょっと固いですが、始まりからなんだかもう茫洋とした詩の世界にたたずんでいくような気がします。言葉ひとつで、目の前の世界が変わってしまうという詩の魅力を考えてえてください、ええ、もちろんそれが愛しい人への呼びかけから入ってもいいのですよ。

 

ですが誰もがそうだわとか、ああ、いいなあとイメージが広がるような世界を心がけてください。そして、できるならそれは、最初から始まるように、じっと自分を見つめてみましょう、あなたの思いの世界を。

 

詩は言葉遊びというのは、ある意味正論です。暗喩とか隠喩というまあ、ひねくれた人のものといったら叱られますが、これがマグロのぶつ切りのように難解すぎて、言葉と言葉の繋がりが見えませんから、当然かもしれません。詩人でもわからない作品が、たくさんあります。

 

テーマやイメージを全体を俯瞰して読めば見えてくることが多いのですが、これは作者に聞かなければ無理というのもあります。詩であれ小説であれ、読者にたいしての作品であるなら、その言葉は伝わらないというものなら、何のための作品なのかと、定義が成り立たないということになります。分かる人がわかってくれればそれでいいという、唯我独尊、自己満足という評価も仕方がありません。

 


暗喩はイメージの凝縮

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書き方として暗喩は、先の直喩と違って、暗に言うとか隠して言うという表現方法です。我が輩は猫であるというのは、えっと思うでしょう。我が輩は、猫のようなきまぐれな男であるという直喩ならわかりますね。この全く別の、およそ関連のない言葉同士を並べて、何かを暗示したり、表現したりするのをいいます。

 

そして、この暗喩の作り方は作者のイメージが大きく作用するのです。ですから、この手がかりをつかめなければとても理解できません。イメージをどう展開し、そして表現したいことは何かというテーマに即して、言葉を選び起承転結を意識して編み上げますが、小説と一番違う点は、凝縮度の違いでしょう。

 

見事なミスマッチといわれるほどの言葉と言葉、あるいは事象と事象の組み合わせの比喩の意外性です。これが唖然となるほど、切れ味のあるクライマックスができ、余韻が残ります。布団に滝が流れるという比喩の一文は印象的ですが、馬の内蔵に軍港があるというのは、もっと有名な比喩でした。詩はこのイメージをどこまで、人間のテーマに凝縮させることができるかという現代詩の命題に直面しているのかもしれません。

 

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