地蔵参り:経木塔婆の書き方

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  1. 1.経木塔婆とは
  2. 2.塔婆の由来
  3. 3.経木塔婆の書き方と意味
  4. 4.地蔵参りに経木塔婆が使われる理由

 


経木塔婆とは

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経木塔婆とは、塔婆にお経の一節を書いたり、戒名などを書いて川に流す、または水回向で水槽に浸すといったことで供養を行う薄い木の板で塔を象って作られたものです。水を伴うことから、「水塔婆」と呼ばれることもあります。

 

お寺によっては川や水槽をつかった法要を行うことなく、本堂の壇上に経木塔婆を置いて供養をすることも見られます。板塔婆と比べ、板が薄く、サイズも小さく作られています。一般的には長さ九寸(約27cm)程度から一尺二寸(約36cm)で、厚さは1mm程度のものが広く用いられています。

 


塔婆の由来

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塔婆は卒塔婆の略称です。卒塔婆はお釈迦様の御遺骨を安置している建造物・仏舎利を意味するサンスクリット語のストゥーパ(stupa)を語源としています。ストゥーパはいわゆるお釈迦様のお墓です。お釈迦さまが亡くなられた時の御遺骨は8つの国に分骨されました。

 

それぞれの国がお釈迦様への感謝を表すために塔を建設し、供養を行いました。これが中国と朝鮮半島に伝わり、日本にも知られることとなりました。このストゥーパの形を見れば、卒塔婆がそれを模したものであるということが一目瞭然です。

 

ストゥーパは時代を経て、多宝塔や三重塔、五重塔といったものとなってゆきました。墓には石塔の形をしたものもありますが、それはストゥーパを意識しているものです。ストゥーパはお釈迦様への感謝を表すものでした。

 

しかし、後にはこの形を模すことで死者に対する敬意の念や感謝、成仏を願い、それをお釈迦さまにも示すといった使われ方をするようになりました。五重塔は「五輪」を表しています。この5輪とは、地、水、火、風、空をしめしています。

 

地、水、火、風、空は仏教が説くところの五大であり、すべての物質を構成している5の要素です。板卒塔婆の場合にも、4つの切り込みによって、卒塔婆は5つに分けられています。分けられた5つの範囲は順に上から地、水、火、風、空を表しています。小さいながらも経木塔婆にも、しっかりと5輪があります。

 


経木塔婆の書き方と意味

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書き方は宗派によって違いますが、多くの宗派が、「南無阿弥陀仏」とか梵字を書きます。日蓮宗では、塔婆最上部に「南無妙法蓮華経」と書き、経木塔婆の場合には「妙法」とだけ書かれてものも見られます。その下の段に、御先祖や故人の戒名(法号)を書きます。

 

その下に塔婆供養をおこなう理由を書きますが、「追善供養」であったり、「報恩謝徳」というものになるでしょう。その左わきに塔婆供養を行う人の名前を書きます。裏に書くこともありますが、経木塔婆の場合には、表がほとんどです。

 

なぜ南無阿弥陀仏や南無妙法蓮華経と書くのかといえば、誰それの供養のためとはいえ、それを目にする風や花、魚や動物、虫といったありとあらゆる「命」や「魂」がそれによって救われると考えられているからです。救いたい、成仏してほしいといった「個人」に対してのみならず、広い心で幸せを願う心の大切さの表れでもあります。

 

「南無阿弥陀仏」や「南無妙法蓮華経」は、なくなった方への最高の贈り物であり、報恩感謝を伝えることができるものなのです。だからこそ経木塔婆は意義深いものとされています。またこの経木塔婆の供養を繰り返し何度も行うことは、それだけ「命」や「魂」の目に触れることが多くなることにつながります。

 

経木塔婆が巡ることで「南無阿弥陀仏」や「南無妙法蓮華経」もまた巡り、これらが作り出す功徳は大きく、そのきっかけを作った「塔婆供養をおこなった者」も、巡り巡って大きな功徳を積んだこととなります。しかし「自分の徳」を願って行うことは、甚だ恥ずかしいことです。

 

他利のために行う心が大切です。成仏を願って行った経木塔婆の供養が、その死者のみならず、多くのものを救うこととなります。その結果として、自分もいつの間にか功徳を積んでいたことになるのです。その点を忘れることなく、自分ができる限り経木塔婆を行うことが良しとされています。

 


地蔵参りに経木塔婆が使われる理由

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地蔵祭りは地蔵菩薩をお祭りするものです。お釈迦さまが入滅した後、世界は弥勒菩薩が現れる56億7000万年後まで、仏を持たない世界になってしまいます。その間は地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人道・天道といった六道をさまよい輪廻する衆生を救うため、地蔵菩薩が遣わされました。

 

地蔵祭りは死者や今の自分が生きていることへの感謝や、死して餓鬼道に堕ちてしまった衆生を供養するために、地蔵菩薩の縁日に行われる法要です。食物を布施して、その霊を供養します。釈迦の弟子であった阿難尊者が、すべての餓鬼に食物を布施し供養したところ、死を逃れることができ、

 

長寿を全うしたといった説話に由来しています。地蔵菩薩は、サンスクリット語で大地を表すクシティと胎蔵を表すガルバの名を持ちます。大地は全ての命を育む力をもっています。その力によって、苦悩に溢れる人々に心を包み込み、無限の大慈悲で救うとされています。

 

子供の守り神でもあると信じられており、水子供養などで地蔵参りが行われています。平安時代に極楽浄土に往生できなかった衆生は、必ず地獄に落ちると信じられていました。そこで大慈悲の心を持つ地蔵菩薩に、「どうか地獄の責苦から助けてあげてください。」「極楽浄土にお導きください」と救済を願うようになったのです。

 

路傍の神である道祖神「塞の神」と地蔵菩薩信仰が習合し、賽の河原で逆縁を犯してしまった子供が、父母を思って小石を拾っては積み上げるのを、鬼が来て塔を壊すという様を見かねた地蔵菩薩が救済するという話が民間で伝えられるようになりました。

 

仏典には何の根拠は見出せませんが、子供の冥福を祈り、成仏を願う親は地蔵参りをするようになったとされています。この時、経木塔婆に救済してほしい人の戒名などを書き、地蔵菩薩に聞き届けられるよう願うようになりました。

 

先祖を供養し、今生かされている感謝の気持ちを表すものでもあります。また子供のお祭りとしての地蔵祭りも各地にはたくさんあり、今あることへの感謝と子どもの安全と幸せな未来を願って供養する日になっています。

 

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