農業確定申告の書き方

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確定申告とは、税金に関して行う申告手続のことであり、個人の場合には1年間の収入・支出・掛かった医療費・寄付した金額・家族などの扶養状況から所得を計算し、税務署に申告書を提出して納付する所得税を確定することを意味します。中でも農業によって得た収入がある場合に行うのが農業確定申告です。なお、ここで言う1年間とは1月1日から12月31日までの期間になります。

 

  1. 1.農業所得の申告が必要かどうか?
  2. 2.農業確定申告の書き方
  3. 3.収支計算について
  4. 4.農業所得の収入と必要経費の内訳
  5. 5.減価償却の計算について
  6. 6.国税庁の計算ツールについて

 


農業所得の申告が必要かどうか?

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農業確定申告の書き方を知る前に、そもそも農業確定申告の書き方を知る必要があるかどうかを確認します。簡単に言えば、農業をしていても必ずしも農業確定申告を行わなければいけないわけではありませんし、逆にご自身が農業をしていなくても状況によっては確定申告を行わなければいけない場合があるからです。

 

原則的には、農業確定申告を行う必要があるのは、1月1日から12月31日までの間に農業を営み、収穫した農産物を販売したことで収入を得た方になります。つまり、自分で農地を耕作し、農産物などを個人や農協、販売所等に出荷したり販売したりして所得を得た方は申告する必要があるのです。

 

自分で農地を耕作していても、その農産物などを出荷したり販売したりして所得を得ていない方は申告する必要がありません。自分で所有している農地の有償の貸付をしていない方も対象外ですが、翌年以降に作付けして所得を得た場合には申告が必要になります。一方で、ご自身で耕作をしているかどうかに関わらず、

 

所有している農地を有償で貸付している場合には、農業確定申告ではなく不動産所得の申告をする必要が発生します。ここで言う有償とは現金だけではなく収穫した農作物などの物納の場合も含まれます。物納の場合には農協などの買取価額などを参考にして現金に換算して申告します。

 


農業確定申告の書き方

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農業確定申告を書くには、農業所得の収支計算を行う必要があります。この計算を行うには農業所得の収入と必要経費を科目ごとに分けて集計しなければいけません。また、必要経費の中でも減価償却費は独特の計算式で算出しなければいけません。それぞれについて、簡単に概略を説明します。

 


収支計算について

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平成18年分以降の農業所得は全て収支計算方式で計算することになりました。収支計算方式では、1月1日から12月31日までの間に農産物に関して得た収入金額の総計から掛かった必要経費を差し引いて所得を計算します。この収支計算を行うためには、

 

まず農業による収入や掛かった必要経費などの取引に関する書類を保存します。例えば領収書、請求書、農協からの通知などがこの書類に相当します。また農協へ出荷などをされている場合には、事前に農協に連絡して所定の手数料を支払えば、取引状況を科目ごとに分類した「購買明細書」を発行してもらうことができます。

 

これらの書類の保存期間は5年間とされています。続いて保存した書類を使い、各科目ごとに分けて集計します。この集計を元にして1年間の合計額をまとめ上げます。最終的にはこれにより収支内訳書を作成して申告書とともに税務署に提出することになります。

 


農業所得の収入と必要経費の内訳

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先に挙げたように、農業確定申告書の作成するには、農業に関する収入金額と必要経費をそれぞれの科目に分けて総額を算出することになります。ここでは分ける科目の中でも一般的に使われることの多い主な科目についての概略を記します。主な収入金額は「販売金額」「家事消費等」「雑収入」の3つです。

 

「販売金額」は農産物の種類ごとに分けた消費税や手数料などを含む1年間の販売金額の合計です。「家事消費等」は他に販売する以外に自家用や贈答用などで消費した数量に販売したとしたら得られた価額を掛けて計算します。「雑収入」は作業を受託することで得た収入、行政からの補助金、共済金などをそれぞれに分けて計算します。

 

必要経費は主な科目だけでも20以上になってしまいますが「雇人費」「小作料・賃借料」「減価償却費」「貸倒金」「利子割引料」「租税公課」「種苗費」「素畜費」「肥料費」「飼料費」「農具費」「農薬衛生費」「諸材料費」「修繕費」「動力光熱費」「農業共済掛金」「荷造運賃手数料」「土地改良費」「雑費」などが含まれます。

 


減価償却の計算について

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必要経費の中でも複雑なのが「減価滅却費」であり、その算出方法です。農業用に新たに取得した資産が減価償却できる資産である場合、その資産については各年の減価償却費として計上します。減価償却資産の償却方法は新しい計算式が発表されており、平成19年4月1日以降に取得した資産については次の式で算出することとされています。

 

すなわち、取得時の資産の価額をその資産の耐用年数で割り、使用した月数を12で割った値を掛けます。この場合には償却されていない残高が1円になるまで償却し続けることになります。この農業所得における減価償却は「定額法」と呼ばれる方法で算出されており、これが一般に認められた方法です。

 

「定率法」と呼ばれる方法で算出して減価償却を行う場合には、事前に税務署へ届け出た上で承認される必要があります。減価償却の計算に用いる耐用年数と償却率について、主な農業用資産に関するものは公開資料の数値を用いて算出することとされています。

 

この資料の数値は資産を取得した時期やそれを申告する時期によってそれぞれ設定が異なるため、計算の際には注意する必要があります。また、減価償却資産に相当する資産でも、場合によっては減価償却をしない場合もあります。

 

例えば取得価額が10万円以上で20万円未満の場合には取得した年以後3年間の間に取得価額の3分の1の金額を必要経費にすることができます。また、使用できる期間が1年未満であったり取得価額が10万円未満である資産については、減価償却をせずに取得した年に取得価額の全額が必要経費とされます。

 


国税庁の計算ツールについて

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書き方の複雑な農業確定申告ですが、サポートしてくれるツールもあります。国税庁のホームページでは「確定申告書等作成コーナー」を利用することができるのです。このコーナーで画面の案内の通りに金額などを入力すると、

 

減価償却費を計算してくれ、収支内訳書や確定申告書を作成できます。ここで作成したデータはそのまま印刷ができ、税務署へ郵送などで提出することもできます。また、事前に公的個人認証など電子証明書を取得しておけば、インターネット上で申告書を提出することもできます。

 

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